講師の許状を申請した時に提出した作品です。
私にとっては初めて場面の大きな作品を作る機会になりました。
デフォルメされた牡丹を表現したつもりですが、なかなか牡丹には見えないかもしれません。
約7年ぐらい前の精一杯の作品です。
- 講師や師範の許状は習い始めは取得するつもりはありませんでした。
- 三年間、集中できたことに感謝しています。
- (閑話休題:ブルーインパルスの飛行スケジュール)
- バーキン型バッグ
- デフォルメされた牡丹柄のつもりです。
講師や師範の許状は習い始めは取得するつもりはありませんでした。
習い事を始めるときはいつも「看板はいらない」と思ってしまいます。
着付け、茶道、書道、絽ざしなどです。
看板があったところで技術が伴う証明にはならない場合があるからです。
特に「許状」と言うのは曖昧模糊としたもので、申請する側もされる側も大まかなアウトラインに添っているのではないかと考えることが多いです。
茶道の世界は特にその印象が強いです。
友人が習っている「書」も似ています。
では、なぜ私が講師の許状を申請し、師範の許状をしたのか。その経緯を書きます。
若い時の事なので、今となっては恥ずかしい限りです。若気の至りとして書きます。
私が所属するところでは講師、師範のどちらでも弟子をとることができます。
しかし、弟子を講師に推挙するのは師範にしか出来ません。
若いころの私は「絽ざしを知らない人に知ってほしい」と今よりももっと強い気持ちがありました。
もし、誰かに絽ざしを繋ぐことに「師範」が必要なら取得しておきたいと考えました。
そのステップとして「講師」がありました。
目標がハッキリしていたので、「講師」、「師範」までの集中力は途切れませんでした。
達成する前に次の目標を決めておかないと足踏みしてしまうことも体験しています。(現在進行形です。)
私が茶道を習ったときは「お茶名」を頂いて、弟子を10年教えて育てられたら「教授」を申請できたと記憶しています。
「お茶名」の申請までも細かく許状の申請があります。
私が通っていたお稽古場では休まずにお稽古に通い、お点前を習得して、各許状を許されて「お茶名」を申請するのに約10年かかりました。
この10年は確約された10年ではありません。
お稽古場の慣習や師匠のお考えによってそれ以上かかることも、短いこともあるようです。
私が「お茶名」を頂いてもそれ以上お稽古に専念しなかったのは様々な理由があります。
茶道界批判と受け取られると困るので、こちらに書くことは控えます。
三年間、集中できたことに感謝しています。
絽ざしの「講師」の許状をいただいてから、三年連続で作品を作りました。
毎年、上野の都美術館で作品展が開催されます。
それに出品するためにある程度の場面のある作品を作る必要があるのだと思います。
三年連続で作品を出品することが「師範」へ一番近い道でした。
私の推測にしか過ぎませんが、三年間、絽ざしに集中して作品を作り続ける気持ちがあったことへの評価だと思っています。
テクニックやアイディアも必要かもしれませんが、コツコツと積み重ねられる気持ちが試されていると今でも思っています。
「講師」の申請の時にバーキン型バッグ、他に4作品を提出しました。
作品4点は写真での提出で、一点は作品を提出することになっています。
「師範」までの三年間は名古屋帯、五つでセットの数寄屋袋、袋帯を作りました。
黒川先生は背中を押してくださって、常に明るく励ましてくださいました。
作品のモチーフを相談するときも私の気持ちを最大限に汲み取ってくださって、先生のお気持ちを押し付けられたことはありません。
前提は作品展に出品できる作品であること。でした。
配色もモチーフも加工も先生にご意見を頂くことはありましたが、最終的には自分で決められたことがとても良かったと思っています。
作品の「テーマ」がないことが作品を作る際に自由度が高いと言えますが、「テーマ」があることで限定された状態で表現したいことを考えることも同じくらい難しいと昨年末から思うようになりました。
閑話休題:ブルーインパルス
今日はオリンピック開催を記念してブルーインパルスが都内上空を飛ぶらしいです。
うちからは微妙に離れているので、音も聞こえないかもしれません。
昨年に続き、コロナ禍で「娯楽の意味を米て」飛行機が飛ぶのを喜ぶ方達が多いことは、見えないウイルスと絶えず対峙している緊張感をほぐすには良いのだと思いました。
私もブルーインパルス、見たいなぁ。
【ダイジェスト版】ブルーインパルスが描く五輪 57年ぶり都心上空で(2021年7月23日)
入間の航空ショーに行ったことを思い出したり、
SNSでお友達になった女性から「空飛ぶ広報室」というドラマを勧められて見たことや、
自衛隊の航空ショーにまつわる思い出をいくつか思い出しながら、
一連のブルーインパルス関連動画を見ていました。
バーキン型バッグ
バーキン型バッグを作ろうと思ったのは、黒川先生が桜のモチーフでベージュのバーキン型バッグを作っていらっしゃって、実物を見せていただいたことがきっかけです。
習いたての時期だったので、絽ざしを加工して作られていることの新鮮さと、絽ざしの場面の大きさ、緻密さ、黒川先生の色使いがとても素敵だと思ったからです。
私は濃紺で作ることを選びましたが、もし、もう一つ作ることがあったら淡い色で作れればいいなと思っています。
バーキン型でカジュアルに持ちたいので、日本の季節限定柄よりも一年中持ちやすいモチーフから選びたいと思っています。
いつになるか、全く見当がつきません。
デフォルメされた牡丹柄のつもりです。
お柄は牡丹に見えるでしょうか?
デフォルメされているうえに、刺し方も様々です。
難しい刺し方はしていませんが、これを作ったときは「乱れ刺し」が難しく感じました。
絽ざしは規則性が美しさの基準の半分を占めていると思うことが多々あります。
「乱れ刺し」の場合、「垂直に刺す」ことを守りつつ、規則性が無いように刺すのが今でも難しいです。
意識していないのに「一目一段のずれ」が出来上がっていることもしばしばあります。
「乱れ刺し」だから適当にさせば「乱れているように見える」とは限りません。
「乱れているように見える」ように、考えながら刺しています。
言葉遊びのように、少し言い訳がましくなったかもしれません。
絽ざしを説明する語彙が足りません。
場面の大きな絽ざしは一年に一作作りたいと考えていますが、合間に小物も出来たらいいなぁと思っています。
開会したからと言って、五輪マークを絽ざしで刺したいとは思っていませんが、感染拡大とならないように心からお祈りいたします。