私もお着物着てみたいなあ、浴衣を着てみようかなと言う 30代後半から の女性に私が 浴衣を勧めない理由はいくつかあります。
遠方のお友達が着物に興味を持ってくれたようなので、私が経験したことを伝えました。
二枚目の写真に写っているのはエッシャーの「ヘビ」の浴衣です。約30年前の思い出です。
型を掘っていただいて注染で染めました。一緒に手ぬぐいも染めました。
20人~30人ぐらい集まったので、型代を含めても高額にはならなかったと記憶しています。
上質の木綿を使っているので、現在のプレタの浴衣と肌触りが違います。還暦を過ぎたら楽しみたいと思っているので、まだ一度も着ていません。もし、この浴衣と同じ浴衣を持っている方がこれを見たら、私のことをおぼえているのかしら?と考えたりします。
- 夏は何を着ても暑いです。
- 綺麗に着たい時は多少の補正はする方が良いです。
- 二枚歯の下駄は全くお勧めしません。鼻緒ずれも痛いです。
- 着物を始めるなら夏以外がいいのではないかなと思います。
夏は何を着ても暑いです。
夏は何を着ても暑いです。
T シャツと風を通す素材の優しい柔らかなパンツで過ごしていても暑いです。
都内でエアコン無しで過ごすのは、室内での熱中症を考えるととても危険だと思っています。
東京の下町方面では三社祭の頃から浴衣を着始めるというのが昔からの習慣のようです。
湿った空気の暑さの中では嫌でも汗をかきます。
浴衣を着てみると分かると思うのですが決して涼しいものではありません。
風を通すという意味では 麻の素材の方が涼しいです。
部屋着として エアコンや扇風機の風に当たって汗をかかないなら、部屋着として浴衣も夏の楽しみとしていいような気がします。
私も薄手の木綿の着物を補正もしないで、帯板もせず兵児帯をクルクル巻いて、部屋着にしています。
この状態では部屋着の「くつろぎ過ぎ感」が出過ぎて一歩も外には出られません。
年齢を考慮した上で多少なりとも綺麗な気姿を目指すと浴衣よりも夏の着物の方が衿と足袋を合わせることで整っているように見えると思います。
綺麗に着たい時は多少の補正はする方が良いです。
着付け教室ではその先生の考え方によって「補正をしない着付け」を教えますというお教室もあります。
私は習った時から最低限の補正はした方が良いと習いました。外出するときは必ず補正をします。
特にウエストにフェイスタオルを巻くぐらいは腰紐を結ぶ時にもタオルがクッションになってくれて窮屈ということが少ないです。
着方によっては補正があった方が着姿がきれいな場合が多いような気がします。
浴衣には半幅帯を合わせることが多いのでお着物に帯を合わせるのとは違って、後ろ姿のヒップラインが強調されることが多いです。
随分前は半幅帯の結び方はあまり種類がありませんでした。
長さも360センチ前後ではなかったかなと思います。
私の手元にある半幅帯で一番短いのは320センチです。
今、本や動画で紹介されている帯結びは400センチ~460センチのことが多く、それにプラスして「三重仮紐」を使うとか、帯揚げや帯締め帯留めを足してみるなどアレンジは様々あります。
後ろ姿を華やかにしたいという気持ちと、お尻の大きさとラインを強調したくないと言う気持ちから帯結びが考えられているようです。
胸元を整えたり、ヒップラインを整えたり、着姿全体を綺麗に見せようと思うと、補正は多少はしたほうがいいと思います。
胸元の補正には、和装ブラジャーをつけるとか、それに代わるワイヤーのない下着を着けると胸元が綺麗です。
私自身は浴衣に下駄を合わせて素足で外出することがないので、部屋着としての浴衣なので特に補正などはしないで着ています。
着物を長く着ている方の中には、浴衣はあまり好きではないという方もいます。
夏の着物の「きちんとした感じ」は浴衣では出せないので、長く着れば着るほど浴衣は外出着ではなくなっていく方も多いです。
もちろん 着物のように見える浴衣の生地、色、柄で、衿があって足袋を履いて名古屋帯を絞め、日傘や小物などに気を使って 「おでかけ着」にされる方ももちろんいらっしゃいます。
二枚歯の下駄は全くお勧めしません。鼻緒ずれも痛いです。
以前も書いたかもしれませんが、二枚歯の下駄は 階段の昇り降りなどには全く向いていません。
それでも二枚歯の下駄が好きだという方は止めませんが怪我をしないように気を付けてください。
お草履の形の下駄があるので最初はそれは良いのではないかと思います。
細すぎる鼻緒は鼻緒擦れの原因になるので、当たりの柔らかい鼻緒を選ばれることをお勧めします。
下駄は浴衣だけでなく着物にも合わせられるので、もしできれば履物屋さんで台と鼻緒を選んで足に合わせてすげてもらうことをお勧めします。
下駄も種類が多く、白木、焼き下駄や様々な塗り下駄、鎌倉彫の下駄など、一つに絞れないくらい沢山あります。
裸足で白木の下駄を履くと足の裏に汗をかいて跡が付く場合があります。
個人的には少し見苦しい気がします。素足に下駄を履くときは塗りの下駄をおすすめします。
私はお着物に下駄を合わせるのがとても好きです。
足袋は真っ白ばかりですが白木の舟形の下駄 と合わせるのがとても好きです。
随分前にお着物を通してお友達になった方が「私は、柄が繋がってなければ下駄でいいと思っているの。」と言っていたのを真似しています。
何気ない一言でしたがとても勉強になり、その後の下駄とお草履に対する考え方が楽になりました。
着物を始めるなら涼しくなる10月ぐらいが良いのではないかなと思います。
浴衣の最大の 壁はお洗濯の後のアイロンだと思っています。真夏のアイロンは地獄です。
外出して動き回れば汗もかくし皺もできます。
T シャツと同じようにネットに入れて洗濯機で洗いたいですし、干して乾いたらアイロンなしで着たいところですが、「お出かけ着」としての浴衣だとアイロンを掛けないわけにはいかない場合が多いです。
ここに浴衣の着た後の壁の高さを感じます。
遠方のお友達も最初は浴衣から始めようかしらと言っていたので「真夏のアイロンは、私には地獄だわ~。浴衣を外出着にしていないの。」 と言ったらとても納得してくれました。
正絹の場合は、帰宅して脱いだ後はハンガーに吊るしておいて湿気を飛ばすことで夏の終わりまでさほどお手入れはしなくてもいいことが多いです。
麻や綿麻は ネットに入れて気軽にお洗濯ができます。
綿100%の浴衣がシワを目立たせてしまうことが多いと思っています。
お手入れ動画もたくさんあるので、どうしても浴衣が着たいという方は お手入れまで軽く予習してから浴衣を着てみてはいかがでしょうか?
着付け教室は三か月クールで4月、7月、10月、1月に始まるところが多いようです。プライベートレッスンでいつからでもスタートできるお教室や、呉服屋さん主宰お教室はいつからでも始められるお教室もあるようです。
10月から始めて帯を締められるようになるとクリスマスやお正月に着物を楽しめるので、年末には着物デビューしたい方は10月ぐらいから始めてはいかがでしょうか。
私は呉服屋さん主宰の着付け教室へ通いました。お月謝制だったか、お稽古の都度先生にお支払いしていたか忘れてしまいました。
習い始めたのは1月末か2月だったと記憶しています。
私個人としては涼しくなってから、自分で試してみるかお教室に通うのがいいような気がします。
着付けも独学では遠回りになるので、基本的なことは先生にで習うほうが「急がば回れ」だと思っています。
ただ、展示会や産地見学などを強要するようなお教室は進めません。
オンラインでの着付け教室もあるようなのでポイントをしっかり学んで その後てどんな着姿になりたいか考えるのもいいと思います。
遠方のお友達は好奇心が強いので、なんでも楽しめると思っています。
お友達のおかげで「ミキ」を作り始めたりしているのでお互いに良い影響を受けているのだと思っています。
お着物に興味があるけど踏み出せないという方は、浴衣のアイロンがけが苦痛でない方は浴衣からスタートでもいいと思います。