2020年の出来事。
絽ざしの作品展に間に合うように加工をお願いした方と、間に入ってくださった方へお礼の気持ちを込めてミニ財布を作りました。
- 紫の沙綾型
- 紫のグラデーションの山路
- 贈り物を考えるのは楽しくて難しいです。
紫の沙綾型
こちらの手のひらサイズのお財布は確か九代続く江戸っ子の方に贈るために 紋様を紗綾型しました。
紗綾型は歌舞伎の襖などに施されている文様でもあります。 着物や帯の地紋でもよく見掛けます。
徳川家でよく使われていたと聞いたことがありますが、しっかり調べていないので出典を探してみます。
その方が絽刺しの帯の加工をお願いするために職人さんを紹介して下さいました。
お礼を形にするというのはとても難しいので迷いましたが手のひらサイズなのでもしあんまりお好みでなかったらどなたかに差し上げていただいてもいいなあと思っています。
紫のグラデーションの山路
紫のグラデーションで「山路」という模様を刺しました。
革をグレーにしたのはお好みのお色を伺った時に、淡い色がお好みということと紫色がお好みということでした。
もう少し華やかでもよかったかなぁと思っていますが、この方は職人さんなのでご自身の持ち物にはご自身なりの思いがあると思うので、私はそこまで汲み取った贈り物は出来ないなと思いながら少しは気に入っていただければいいなと思って配色を考えました。
贈り物を考えるのは楽しくて難しいです。
とてもお世話になったお二人にどのようなお礼をしたらいいのかしばらく考えました。
私の年齢が55歳というのがとても中途半端に自分で思えてしまって、若い時のように自分の思いと勢いに任せて何かを送るということもできず、かといって先方のことを汲み取るほど近い間柄でもない現実があり、一番分かりやすく伝わるのは絽刺しを配したものと思い至りました。
それでも革加工がいいのか布加工がいいのかも迷いました。
贈り物も出ず入らずが丁度良いと思っています。
受け取る方の気持ちを考えても思い至らない事が多いですが、今後も弱いおつむを捻ってみようと思っています。