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絽ざしの数寄屋袋兼ポーチを二点作りました。

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革加工は職人さんにお願いしました。
白い革の数寄屋袋は「紗綾型」の絽ざしです。緑色の革の数寄屋袋は「波の丸紋様」のアレンジです。

どちらもポーチとして使えるように数寄屋袋の原型をアレンジしています。

  • 白い革の「沙綾型」の詳細
  • 緑色の革の「波の丸文様」の詳細
  • 一目が整然と並んでいるのが一番美しいと先生からの教えです。

白い革の「沙綾型」の詳細

紗綾形はとにかく規則正しく一目でも間違うとどこかで模様が合わなくなります。

絽ざしを見たことがない人は気づきにくいかもしれませんが、絽ざしを楽しまれている方や身近に作品がある方はすぐに間違いに気付 かれると思います。

私は幾何学文様がとても苦手だったので2020年の1月から不定期に、忘れないために紗綾形を形にしています。 

配色はいつも悩みますが今回はたまたま紗綾形の形は濃い紫色を使い、中を埋めるのは錦糸の淡い紫色です。

出来上がってみると淡い色がくすんでいるように見えてしまい少し残念でした。

緑色の革の「波の丸文様」の詳細

深い緑色の革の数寄屋袋には 波の丸文様をアレンジして白い糸とオーロラという名前の糸で刺しました。

 波の丸紋様は波の中は「乱れ刺し」という刺し方になります。波の外側は規則正しく隅から隅まで一目刺しで埋めていきます。

どちらがより神経を集中させなければならないかと言うと幾何学の紗綾型です。特にこの紫の紗綾方は目を凝らして見るとお分かりいただけますが、 中に「流れ文様」を流し込んであります。

先に紗綾形だけを刺してその後で流れ文様を刺しますが、紗綾形の線が障害物のように流れ文様を遮っていきます。流れ文様の規則性は崩せないので 目の数をしっかり数えないとこちらも合わなくなります。

紗綾型はアウトラインも一目刺しも細かく数を数を数えながら進めていかなければ完成しません。その緻密さが壁でもあり完成した時の達成感もあります。

波の丸文様が気分的に楽かというと決してそうではありません。乱れ刺しをしっかり乱れさせなくてはいけないので、規則正しさが 垣間見えてしまうと乱れ刺しになりません。さじ加減が難しいです。 

一目が整然と並んでいるのが一番美しいと先生からの教えです。

一目刺しは、私の指示する黒川朋子先生は「一目刺しが美しいことが一番美しい」と以前おっしゃっていました。

絽ざしは糸の引き加減が均一でないと全体を見た時に力加減が見ている人に気付かれてしまうことがあります。特にたくさん絽ざしをされている方は作品を見て集中力が欠けている部分や逆にしっかりと針が進んでいるところを感じ取ることができます。

今回の二枚の絽ざしは、紗綾形は「挑戦」でした。

今まで紗綾形の中に「流れ文様流す」ということを作品にされた方はいませんでした。

波の丸紋様は刺していて気持ちが落ち着く文様ですが、これもまだまだ色々な配色のバリエーションを考えて作りたいと思っています。

着物が好きなので、羽裏や八掛けのように裏地も表側とリンクさせられる布を使いたいと思っています。

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