***安易に真似をしないでくださいね。慣れている方はうなずいていただけるかもしれません。*
- 売り物にならない帯をいただきました。
- 一部、帯芯を外してお洗濯しました。
- 縦に激しく縮みます。
- お襦袢や帯揚げもお洗濯します。
売り物にならない帯をいただきました。
着物のリサイクルのお店で「何かしらの難ありで売り物にならない商品」を時々おまけで頂くことがあります。
絽ざしの小物用の裏地に正絹を使いたいと思って「絞りの帯揚げ」などを見に行くお店です。
私はたくさんお買い物はしません。
私は、お店にとってはあまり良いお客ではないのですが、店主の方がとても優しい方で売り物にならないものは「どうせ処分するのだから気に入ったものは持って行っていいよ」と言ってくださいます。
とても有難いです。
一部、帯芯を外してお洗濯しました。
この名古屋帯は「開き仕立て(鏡仕立て)」 と言う仕立て方になっています。
着物を着る方は「開き仕立て(鏡仕立て)」をご存知だと思いますが、着物に興味のない方にはあまり耳にしない仕立て方ではないかと思います。
「開き仕立て(鏡仕立て)」とは、 日本舞踊をされる方からのお仕立てが多いと、以前、聞いたことがあります。
大正10年生まれの祖母の帯の中にも何本か「開き仕立て(鏡仕立て)」の名古屋帯がありました。
売り物にならないくらいなので捨てられるよりは二次利用しても大丈夫ということで安心してトライ&エラーにも挑戦できます。
着物や帯などは本来、お手入れに出さなければ身につけられないものですが、どうなってもいいという気楽さがあって、半分だけ帯芯を外して漂白剤と洗剤で一晩つけ置きし、今日、水洗いをしました。
縦に激しく縮みます。
洗う前の帯の長さは360センチ、幅30センチでした。
洗って乾いた後の長さは320センチ、幅は29.5センチでした。
長さは40センチ縮みましたが、幅は0.5センチです。
320センチしかないので半幅帯として仕立て直すか、絽ざしの材料にするつもりです。
320センチは半幅帯としては現代ではとても短いです。
昭和身長、昭和体形でかろうじて結べる長さです。
最近の半幅帯は360センチ以上でどんどん長くなっています。
460センチぐらいの「飾り結び」を前提とた長さも沢山あるようです。
反物や解いた着物、金糸銀糸の入らない帯など「経験的に洗っても大丈夫だと思える」ものは洗います。
着物や帯の場合、平織りであれば 縦に激しく縮みます。
横に縮むというのは何か織り柄でシボが入っているとか、特殊な織り方の場合には横にも縮みます。
漂白剤を使ったにも関わらず、想像通り、落ちないと思ったシミは落ちませんでした。(苦笑)
洗う前は全体にうっすらと薄汚れていましたが、お洗濯の後、しっかり乾燥させたらオフホワイトの白が綺麗に出てきました。
まだアイロンをかけていないので アイロンの写真は 追加で アップしようと思います。
着物を長く着ている方はそれまでの経験で、洗える、洗えないが判断できたり、どれぐらい縮むかを予測できると思います。
私も「部屋着として着る着物」は縦には縮むと思いながら、平織りは柔らか物も紬も帯も洗います。
もちろん、祖母の形見は自分では絶対に洗いません。
丁寧な仕事をしてくださる悉皆屋さんにお願いしています。
大切な着物や帯は襟、袖口、裾、帯全体などの汚れが無いように見えても「丸洗い」や「汗抜き」、「部分洗い」などのお手入れに出します。
八掛が擦り切れてきたら洗い張りに出します。
もう着ないと思う着物などはリサイクルのお店に引き取っていただいたり、寸法が似ている方にもらってもらったりしています。
着物や帯のお手入れは呉服屋さんにお願いするときもあり、仕立て屋さんにお願いすることもあり、ご縁があるときは直接悉皆屋さんにお願いしていた時期もありました。
「悉皆」の仕事も後継者問題があります。
お世話になっていた「悉皆屋」さんは廃業されました。とても残念です。
職人さんと直接お話ができるので、染み抜きをしても綺麗にならない場合でも説得力があり、納得できました。
お襦袢は反物から仕立てる場合は先に縮めてから仕立ててもらいます。
正絹の襦袢地でも最初に縮めてしまうことでお袖が袷のお襦袢でも、自宅でネットに入れておしゃれ着洗いで洗うことができます。
これは仕立て屋さんとの信頼関係が影響します。
今までもお願いして信頼関係がある仕立て屋さんなのでできることでもあります。
慣れていない仕立て屋さんではお断りされることもあると思うので、初めてお願いする場合は先にお願いできるか確認してください。
帯揚げも手洗いしますが物によりけりです。
帯揚げの場合は縮緬でも洗ってしまっても問題ないことが多いです。
ただ、濃い色だと色止めが悪い場合があるので、他のお洗濯物に色がうつると困るので1枚ずつ洗います。
帯揚げに限らず着物や帯の色落ちは、水につけてみないと分からないことが多いです。今回の真っ白な帯のように織り柄だけだと色移りを心配する必要はないですが、私も数々のトライ&エラーを繰り返して現在に至っています。
安易に真似をしないでくださいね。
経験を生かして洗えると思う物を洗い、洗えないと思う物はお手入れに出します。
後で後悔するのはお洋服以上に落ち込むので、経験で判断できる範囲にしています。
手洗いを推奨するのではなく、私の着物との関わり方なので、「それは違う」と思われる方はご容赦ください。
アイロンは明日以降にゆっくりかけます。